小説文学の春夏秋冬 た行記事一覧

前期雑詠時代 大正初期のホトトギス雑詠に於ける婦人俳句は、女らしい情緒の句が大部分であったが、大正七年頃より俄然、純客観写生にめざめ来り、幾多の女流を輩出して近代的特色ある写生句をうむに到った。実に大正初期雑詠時代は元禄以来の婦人俳句が伝統から一歩、写生へ突出した転換期である。     一 近代生活思想をよめる句 (1)[#「(1)」は縦中横] 近代生活をよめる句[#「近代生活をよめる句」に傍点]...
三年ほど前の早春、自分が京都に住むことになつてものの二週間とたたないうちに、突然小田嶽夫君が訪ねてくれた。 小田君は上海《シャンハイ》旅行の途中で、京都は始めてだと言つてゐたが、自分を訪ねる前に見物してきたばかりの醍醐寺に、よほど感心したらしく、早速ポケットから絵葉書をとりだして説明しはじめたが、僕も京都は当時まつたく不案内で、醍醐といふ地名も醍醐寺といふ存在も、その時はじめて知つたのである。 京...
「もう何時かしら」と眼ざめた瞬間におちかは思つた。思はずはつとした氣持で、頭を上げて雨戸の方を見た。戸の外はまだひつそりとして、隙間のどの一つからも白んだ向うはのぞかれはしない。安心して、寢返りを打つたが、まだどこか心の焦點のきまらぬ氣持で眼をしばたたいてゐると、闇のなかに浮動する樟腦の匂ひがかすかに動いた部屋の空氣につれてほのかに鼻さきににほうて來た。すると急にさめてきた心にどきんと胸をつく強さ...
私の友人の家は大家族です。子供がなんと四人もいるのです。そして、おじいちゃんおばあちゃんもいて総勢で8人の大家族なのです。だからお邪魔すると、とても賑やかなのです。賑やかというか、騒がしいというか。私は一人っ子だったし、まだ結婚していなくて一人暮らしなのでとても憧れているのです。だから寂しくなると、友人の家にお邪魔します。すると、とても楽しいしずっと笑っていられるのです。今日は仕事で失敗をしてしま...

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